佐久島(さく - しま)

佐久島は愛知県西尾市に属する離島である。三河湾に浮かぶ離島の中では最大の面積を誇り、黒で統一されたその歴史ある町並みを称え、「三河湾の黒真珠」とも称された。古い文献には作島、析島としてもたびたび登場し、三河湾の要衝に位置することから古くから海運で栄えた。島の至るところには古墳が点在しており、その数は40基以上にも及ぶ。

戦後の高度経済成長期以降は、出稼ぎによる離村が加速し、現在は人口300人にも満たず、高齢化も進んでいる。その一方では、町おこしが活発に行われている。中でも島全体をアート化するという取り組みが功を奏し、毎年若者を中心とした多くの観光客が訪れている。

この場所の年表

紀元前3000年頃 発掘された土器などからこの地に人が住み始めたことが分かっている
紀元前97年-紀元前30年頃 佐久彦命なる人物がこの地で農業を開始したことがこの島の由来になったと伝わる
7世紀後半 文献上に初めて佐久島の名称が登場、「佐久嶋」、「析嶋」とも
1785年 史上最も長く漂流した人物として知られる小栗重吉がこの地に生まれる
1889年10月1日 町村制により幡豆郡佐久島村となった
1954年8月1日 一色町に編入される
2011年4月1日 一色町が西尾市と合併し西尾市一色町佐久島となる

主なランドマーク

おひるねハウス

石垣海岸に設置されている佐久島の代表的なアート。

西集落の黒壁がモチーフにされており作者は南川祐輝氏である。。海岸にポツンと設置された印象的なアートがSNS映えする写真の撮れるスポットとして人気を博し、休日などは写真待ちの行列ができる程である。

弁天サロン

西港から歩いてすぐの場所にある風情のある古民家風の施設。

島に関する資料や、季節によって変わるアートの展示などが展示されており、無料で開放されている。サロンには島民が常駐しており、島の情報などを聞きながら交流を楽しめる。

秋葉山古墳

7世紀ごろに造られた円墳。

佐久島東部の秋葉山の中にひっそりと遺されており、埋葬者は当時の有力者の可能性が高いという。

佐久島クラインガルデン

クラインガルテンはドイツ語で、直訳すると「小さな庭」であり、日本国内においては滞在型市民農園としての意味合いを持つ施設である。離島の中では全国で初めて作られた施設である。

主に利用者と島民の交流促進が期待されており、施設内にはバーベキュー場、宿泊可能なラウベ棟などの設備も充実している。

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