2021/09/04

「地域おこし協力隊」の制度や具体的な仕事内容を紹介します

皆さんは「地域おこし協力隊」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。初めて聞くと、地域おこし?なにかの隊員なの?と疑問に思う言葉です。東京への人口集中が進む日本で、地方の活力となるべく総務省が掲げる「地域おこし協力隊」は令和2年時点で全国で5,500名にも及び、令和6年には8,000名まで増やす方針を明らかにしています。
今回は、地方創生の重要テーマである「地域おこし協力隊」について詳しく紹介していきます。

地域おこし協力隊とは

『地域おこし協力隊』とは…働き地方自治体が都市地域からの移住者を『地域おこし協力隊』として任命し、農業・漁業への従事、地域の魅力PR、お祭りやイベントの運営など、様々な地域協力活動を行いながらその地域への定住・定着を図る総務省の取組です。

隊員は地方自治体の委嘱を受け、その地域で生活し、各種の地域協力活動を行うことで地域に貢献できる仕事で、具体的な活動内容や条件、待遇は、募集自治体により様々です。任期中は、自治体・サポートデスク等による日々の相談、隊員向けの各種研修等様々なサポートを受けながら業務にあたることができます。


任期後は、起業希望者向けの補助制度もあります。地域おこし協力隊を経験すると起業や事業承継に要する費用の補助を受けられるという制度です。これを利用して、地方で起業する方も多いようです。

地域おこし協力隊のメリット

地域おこし協力隊のメリットについて、隊員側のメリットと自治体側のメリットを説明します。

協力隊になるメリット

協力隊になるメリットとして、一定の収入を得ながら自身の才能や能力を活かしながら活動ができることがあげられます。また、地方移住によって理想とする暮らしや生きがいが発見できることもあります。


移住にかかる家賃・インターネット代・ガソリン代などの費用補助も出ることが多く、移住生活を始めたい方にとってはうってつけの制度といえます。

自治体が協力隊を受け入れるメリット

協力隊を受け入れる地方自治体のメリットとして、行政側ではなかなか行うことが出来ない細やかな地域おこしを協力隊に委任できる点です。地域に移住することで生まれる地域との近い距離感で町おこしをしてもらえるのはまちの活性化が期待できます。


さらに、地域外から来た人の目線で今までは思いつくことのなかった地域おこしを考えてもらうことで、新しいアイデアが出やすく、地域の発展につながりやすくなります。また、協力隊の任期が終わったとしても、その地元に定住してくれる人はおよそ6割と高い定着率があり、人口が増えることによって活性化も進むという大きなメリットがあります。

協力隊と自治体、双方にメリットがある「起業型地域おこし協力隊」

 

任期終了後、地域おこし協力隊を経験すると起業や事業承継に要する費用の補助を受けられるという制度です。起業型地域おこし協力隊になることで、協力隊は地方での起業の後押しを受けられます。


起業型地域おこし協力隊の活動は、自治体にとっても雇用創出や定住人口増といった大きなメリットがあり、地域の課題を解決するビジネスの実現の可能性があるため積極的に推進する自治体が多くあります。

地域おこし協力隊のお仕事

 

地域おこし協力隊は、地方自治体から委嘱を受けることで参加することができます。活動内容や条件、待遇等の取り決めは各自治体に任されています。そのため、地域おこし協力隊のお仕事は、自治体により異なり一概に説明することができません。


大まかには、地域性や地域のミッションに従い、地域に貢献するための業務を行います。具体的な仕事内容は決まっておらず、主体的に仕事を見つけ自治体の承認の上で進めるやり方や、地域で決められた仕事がありそれにプラスして隊員が主体となって仕事を見つけていくやり方が挙げられます。いずれのかたちでも、自治体と連携を取って地域のためになる仕事を進めていくことが必須になります。


移住後の仕事や生活について、事前によく確認しておくことで協力隊になった後のギャップを減らすことができるかもしれません。

地域おこし協力隊になるには

 

地域おこし協力隊になるには、まず地方自治体による協力隊の募集情報を確認します。募集の有無、活動内容や条件、待遇等を確認の上、履歴書や指定の応募用紙(エントリーシート)の提出をもって応募します。


地方自治体による選考(書類選考、面接等)の結果、採用が決定すると、地方自治体から、委嘱状等の交付により「地域おこし協力隊」としての委嘱を受け、現住所から採用先の自治体に住民票を移動し地域おこし協力隊として活動を開始することができます。

土地の成り立ちについて知る

町おこしには、その地域の特性や長所を理解し、それを活かした取り組みを行うことが重要です。また、地域のことに関心を持ち地域のルーツを知ることは、今の暮らしをよりよく見ることにもつながります。historicaでは、今後も人々の営みが続いていく場所の「これからの歴史」を届けています。

まとめ

・地域おこし協力隊は、様々な地域協力活動を行い一定の収入を得ながらその地域への定住・定着することができる制度。
・自治体にとっても、地域おこし協力隊の活動で地域の発展や定住人口増が期待できる。
・起業型地域おこし協力隊の制度を使って、地域の課題を解決するビジネスを始めることもできる。
・地域おこし協力隊の活動内容や条件、待遇等は自治体により異なるため、事前に確認しておく必要がある。

ふるさと納税返礼品に選ばれた自然素材のプロダクト、体験を提供するオンラインストア を運営しています

参考文献
総務省:地域おこし協力隊
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/02gyosei08_03000066.html

地域おこし協力隊:移住・交流推進機構
https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/about.html

«

»

人気コラム

  • 求められる地方創生。地域が輝く町おこし事例を紹介します

    54809 Views

  • 【事業者向け】「ふるさと納税」商品登録への道

    37582 Views

  • 【スギ花粉と日本の歴史】日本に杉が多すぎる理由

    35188 Views

  • 天空の廃集落 – 夏焼集落を取材しました

    34556 Views

  • 【廃村】宇連集落 – 隔絶された土地で暮らした人々の痕跡を追う

    23000 Views

関連記事