2022/02/06

離島に見る地方創生|島全体をブランディングするまちおこし

その町の特色である産業や行事などを活用したりして町を活性化しようとする取り組みが、各地で進められています。地域の特性を生かすことが持続可能な地域経済を生むとされており、ふるさと納税や観光などで地域の個性に触れられる機会が増えています。

様々な手段で進められるまちおこしですが、離島にある小さな町ではどのように町おこしを行っているのでしょうか。今回は、離島で育まれる地域経済についての事例をご紹介していきます。

地域の特性を生かしたまちおこしについてはコチラの記事でも紹介しています。▶アルベルゴ・ディフーゾ|地域に泊まるという新しい体験

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離島のまちおこし

日本は四方を海に囲まれた島国であることから、多くの離島が存在します。これらの離島は本土との社会生活基盤の格差や人口減、高齢化など様々な問題があり、数年後には存続ができなくなる自治体もあると言われています。そんな離島の過疎化や経済問題に対応するために取り組むまちおこしに注目していきたいと思います。

離島におけるまちおこしの障壁

車や電車でのアクセスができない場所では、観光客を呼び込む際に障壁になる可能性があります。また、離島地域では、高度経済成長期の産業構造の転換、進学・就職による若者の転出増加等により、人口減少や高齢化が急速に進んできており、従来のコミュニティ機能や自治機能が低下している地域も増えています。

離島におけるまちおこしの利点

アクセスのし難さは否めませんが、離島でしか味わえない体験がまちおこしの大きな資源になるでしょう。徒歩で回れる海や山の大自然や、ゆっくりと流れる時間、地元産の生鮮品や特産品など、その島ならではの魅力を知ってもらい、ここでしかできない体験を楽しんでもらうことができるのが離島の利点です。

大崎下島のまちおこし

広島県呉市の大崎下島は瀬戸内海に浮かぶ小さな島で、かつて潮待ちの港として栄えた江戸時代の街並みが残る人口約1800人ほどの小さな島です。温暖な気候を活かしてみかんやレモンといった柑橘類の栽培を主な産業としています。

大崎下島は、広島みかん・広島レモンの中でも人気がある大長みかん・大長レモンの産地

江戸時代には、海上航路の要衝として栄え、商家や船宿、茶屋、寺社などがありました。中心部は小路が網の目のように張り巡らされ、昭和初期に至るまで繁栄が続きましたが、陸上輸送の発展とともに、海上航路の要衝の町はやがては衰退を迎えます。しかし、当時は離島であったことから再開発の波に飲まれることはなく、町並みがそのまま残されて1994年には全国で38番目となる国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。海岸線には高燈籠や石垣護岸、雁木など港町ならではの土木的建造物も現存し、観光地として認知されることになりました。

江戸時代の街並みが保存されている大崎下島

大崎下島のまちおこしは、こうした産業的・歴史的観光資源を活かして人を呼び込むだけではありません。

2020年には、大崎下島をはじめとしたとびしま海道の島々への移住希望者と地域をマッチングする相談窓口「とびしまライフ」を立ち上げ、移住を検討する人の窓口となって支援を始めています。移住後のミスマッチは移住者と地域双方にとって良くありません。この「とびしまライフ」はもともと外からの移住者によって運営されており、移住者同士の連携を深めながら定住促進を行い、島の人口減少や少子化といった地域課題に向き合っています。

レトロで風情溢れる町とフレンドリーで活気のある人々の魅力によって持続可能な経済が育まれる

アートによるまちおこし

インバウンドの需要を喚起するひとつに唯一無二の風景があります。特に、InstagramなどのSNSにアップしたくなるような風景であるということが、若年層を中心とした観光客の間では重要なポイントになっています。そんな観光客のニーズに着目し、島全体を「アートの島」として盛り上げ、観光客を呼び込む動きが生まれています。

佐久島(愛知県)

島の中にアートが散りばめられ、インスタ映えする島として認知されている

三河湾に浮かぶ人口 300 人の佐久島。「アートによる島おこし」が進められており、アクセスのし難さにも関わらず、 20~30 代の若者を中心とした多くの観光客が訪れる島となっています。島にアートを散りばめるだけでなく、島の歴史とアートを結び発信する取り組みやアート体験を通じて「佐久島ならではの魅力」を発信しています。

魅力を発信する相手としてターゲットとしているのは、「行動力と好奇心を持ち、コミュニケーションに関心のある若い世代」。アートをきっかけに、人が島の資源に出会う機会を創出しています。

直島(香川県)

直島は現代アートの島として有名

香川県の北に位置する直島は、周囲約16km、人口3200人ほどの小さな島です。島のいたるところで現代アート作品に出合える『現代アートの島』として有名です。周りの風景に溶け込み、自然と一体となった作品があちこちで見られるのが魅力で、草間彌生さんをはじめ著名なアーティストの作品が屋外に展示されており、自由に鑑賞できます。また、美術館とホテルが一体化したベネッセハウスでは、「自然・建築・アートの共生」をコンセプトとした現代アートにどっぷりと浸ることができることができます。

『現代アートの島』としての注目が集まり、島民とも協働し島のブランディングを推し進めるまちおこしが島の活力となっています。

まとめ

町の特色を活用して町を活性化しようとするムーブメントは各地で見られます。観光で地域を活性化するには、ファーストステップとして人が訪れることが必要です。離島では、そのファーストステップにハードルがあるため、人が訪れるきっかけを創り出す動きが特に活発です。観光資源に出会うきっかけとして新しいものを作り人を呼び込み、訪れた人に昔から守っている町の魅力にも触れてもらうことで、持続可能な地域経済を育んでいる離島が多くあります。

ぜひ離島を訪れる際には、地域のバックボーンにも注意してみると観光の楽しみが広がるかも知れません。

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