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古民家が人気!カフェやレンタルスペースで地方創生
昨今、古い日本家屋を改装して新たな価値を創出して活用する“古民家リノベーション”に注目が集まっています。温かみのあるレトロな雰囲気や、モダンなデザインを取り入れることでおしゃれ空間が特徴的な古民家カフェやレンタルスペースとして活用されるケースが増えており、地域を盛り上げる資源として存在感を高めています。この記事では、古民家リノベーションのメリットや人気の理由まで詳しく紹介します。
▶こちらの記事では、地方創生についてさらに詳しく解説しています。
目次
古民家リノベーションとは
皆さんは古民家風の飲食店を見かけたことがありますか?現代風の建物にはない独特の趣があって、なんだかほっとするようなお店をイメージされる方も多いでしょう。 最近は「古民家カフェ」と呼ばれるお店も増えており、認知が広がっています。 それらは”古民家リノベーション”を施されたお店であることが多いです。
英語のrenovationは建物を改修することを意味します。“古民家リノベーション”とは、昔ながらの日本家屋の柱などの骨組みを残しながら、内装や外装など必要な部分に施工を行い機能的あるいは快適な空間を作ることで、家屋に新たな価値を付加するという意味合いで使われています。
ちなみに古民家とは一般的に、建築基準法が施工される1950年以前の建築基準で建てられた木造の家屋のことを指します。昔ながらの家屋にしかない独特の魅力を活かしながら、現在の暮らしに合わせて改修された古民家のお店が今注目を集めています。
古民家リノベーションのメリット
新築で建て直すのではなく、あえて古民家リノベーションを行うことでどのような利点があるのでしょうか。ここでは、古民家リノベーションのメリットを紹介します。
まちの景観を保ちながら快適な空間を創出できる
古民家が並ぶまちの景観自体が観光や住民の誇りを醸成するための資源となるため、まちの魅力を保存しながら新しい価値を付加し、まちの活気につながるような活用をすることもできます。新築では出せない風情のある雰囲気は、古民家ならではの体験を利用者に提供してくれます。
目的の用途やライフスタイルに応じた間取りが実現できる
古民家のリノベーションでは、室内の壁や仕切りを解体し目的に応じて作り直すことができ、オシャレで使い勝手の良い間取りを実現することができます。昔ながらの土壁や長年使われてきた太い柱や梁をそのまま生かせば、日本の伝統的な家屋の温もりや懐かしさを残すことができます。そこに現代的なライフスタイルや価値観、トレンドを盛り込みオシャレな間取りを実現することもできます。
耐震補強や断熱対策など新築同然の機能が実現できる
古い家屋の欠点となる耐震補強や断熱対策などの機能面をリノベーションによって補完することができます。柱や基礎はそのままに、耐震補強や外壁・内壁などの断熱対策を施すことが可能です。古民家であっても、過ごしやすく安全な住まいにすることで長い間家屋を活用し続けることができます。
古民家リノベーションの注意点
必ず事前の調査が必要
耐震性や断熱性などの機能面の確認は、専門家やリフォーム会社に調査を依頼し必要であれば見積もりなどを取るようにしましょう。専門的な調査の結果、保存状態や木材の質が悪く耐震補強を行っても十分な効果が見込めないケースもあります。物件を購入する前に、しっかりと調査をする必要があります。
改修工事にかかる費用
もともと古い家屋では、いくら対策を行っても新築同然の機能性には及ばない可能性もあります。その場合は、費用ばかりが嵩み十分な効果が得られないという結果になってしまいます。また、完璧を求めると費用が想定以上にかかることも。予算と期待する効果のバランスを調整しながら、リノベーションを検討しましょう。
国土交通省では、中古住宅などの物件にリフォームを施す際にかかる費用の助成を目的とした補助金制度を推進しています。空き家や既存住宅の利活用は国の政策においても重要な施策と位置付けられています。
古民家が人気の理由
人気が高まっている古民家。いったい新築とは何が違うのか、ここでは古民家ならではの魅力を紹介します。
古民家ならでは趣のある空間
古民家の魅力として一番に出るのは、やはりその趣です。新築の家屋とは違う風情のある雰囲気は、古民家ならではの魅力といえます。アンティークや年代物の家具にこだわる方にとってはたまらないものになるかもしれません。
自然素材で建築されている
昔ながらの古民家では化学物質から成る建築資材が使われておらず、自然素材を使って建築されています。自然と調和するライフスタイルを体験できるのは古民家ならではといえます。
このように、古民家には新築とは別の魅力があり、古民家ならではの楽しみがあります。ただ、年季の入った古民家の美しさを保つための手入れの手間は新築よりも多くなってしまいますが、家を大切にすることで暮らしに対する考え方を変えるきっかけになるかもしれません。
historica取材班が訪れた古民家
historica取材班も先日、古民家リノベーション施設を利用させていただきました。 古民家を活用してまちを盛り上げるケースの一例として紹介します。
湖北の暮らし案内所 どんどん
historica取材班は滋賀県長浜市に取材に訪れた際、長屋をリノベーションしたレンタルスペース“湖北の暮らし案内所 どんどん”を訪れました。 細い路地を抜けた先にある川沿いにひっそりと佇む古民家の一部がワークスペースとして貸出されています。ガラス窓からは暖かい光が漏れ、澄んだ川のせせらぎや趣のある木造建築が心を癒してくれます。建物内部は現代風の吹き抜けのある間取りになっていて、まるで秘密基地のような空間が想像力を掻き立て、作業も捗ります。
まとめ
今回は、古民家リノベーションのメリットや人気の理由について紹介しました。しかし、やはり古い建物であることは間違いなく、使われない古民家は次々に解体されて年々その数を減らしているの現実も。
古民家をリノベーションして、地域を盛り上げる資源として活用することでインバウンドや経済的な効果はもちろん、それ以外にも地域住民の誇り形成やまちづくりの自走力を高めることができます。リノベーションされた施設だけではなく周辺地域の接点を含めた活性化を目指し、点ではなく面で多くの交流が生まれることが地方創生には必要であり、現存する古民家がその拠点としての役割が期待されています。
この記事が、古民家と地方創生について興味を持っていただくきっかけになれば幸いです。
使われない古民家は次々に解体され、年々その数を減らしています。historicaでは人やまちの歴史を通じて「これからの歴史」を届けています。
参考文献
国土交通省HP:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/index.html