この世に存在するものすべてに”歴史”というものは存在します。
しかしながら、長く人々の記憶に残る歴史というのは、時の権力者の記録であったり、後世に大きな影響を与えた事象についてである場合がほとんどです。これは、その歴史の重要性を思えば当然だと言えます。
しかし、そのような歴史の裏側には、何の変哲もない平凡な人々の営みが確かに存在し、それら無数の営みの連鎖によってもまた、歴史は紡がれています。今は忘れ去られたような場所で、人々は時に笑い、怒り、悲しみ、恋をしてきたはずです。
しかしながら、こうした人々の些細な歴史を、後世の私たちが知るのはあまりにも困難です。今この瞬間にも、記録に残されず、歴史から零れ落ちようとしている人々の歴史が、確かに存在します。
私たちは、そんな歴史の断片だけでも、ここに遺していきたいと思いました。本来であれば見過ごされてきたような、「これまでの歴史」と「これからの歴史」を、多くの人に届けたいと思いました。
少子高齢化や、首都圏への一極集中問題が取り沙汰され始めてから随分経ちました。我々のこの活動を通じて、今まで知られていなかった場所や、人々の魅力を多くの方々に届けることができたのならば、今まさに、この国が直面しているこれらの問題への解決策が見出せるかもしれません。
大それた話に思えますが、私たちの活動が少しでも何かの役に立つと信じて。
2021/8/6 - historica立ち上げにあたって
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