2022/04/09

三河湾の黒真珠と称される佐久島を取材 ~愛知の離島を行く 第1回~

どうも、historicaの安藤です。
皆さんは愛知県に気軽に行ける離島があることはご存じでしょうか?知多半島と渥美半島に囲まれた三河湾に浮かぶ佐久島、篠島、日間賀島の三島は、「愛知三島」とも呼ばれ、それぞれの島に特色と歴史が詰まった魅力的な場所です。今回はそんな愛知三島を制覇してきたので、それぞれの島の様子と歴史をご紹介していきたいと思います。第1回は歴史とアートの島「佐久島」をご紹介します。

佐久島について

美しい佐久島の海

佐久島は篠島や日間賀島と比べると著しく人口が少なく、その数はわずか300人。観光業で賑わう反面、過疎化・高齢化に悩まされている離島の1つでもあります。佐久島の町を実際に歩いてみると、至る所に空き家となった家屋や打ち捨てられた廃墟があることに気が付きます。小さな離島とは言え、これだけの面積をたった300人で維持管理していくのは困難なのだろうと感じました。

だからこそ、島外からの移住者を積極的に募集したり、地域おこしに取り組んだりと島を盛り立てる活動が盛んに行われているのです。私も街を歩きながら、この美しい島でアートと自然に囲まれながらのんびりと暮らすのも悪くないなと、ふとそんな思いにふけっていました。

佐久島へのアクセス

便の本数は少なめなので注意

佐久島は愛知県西尾市にある一色港から渡船で20分ほどで辿り着けます。渡船の本数は大体2時間に1本程度とそこまで多くはないので、訪れる際はホームページなどで事前に時刻表を確認しておきましょう。渡船は100名以上が座れる大きさなので、ゴールデンウィークなどの繁忙期でない限りは問題なく乗船できるでしょう。やはり午前中の、特に11:30の便が一番混雑するようなので、込み合う前の早朝の便で快適に移動するなど工夫すると良いかもしれません。

一色港の船乗り場、バスも通っている

船内はかなり揺れる

また、波の状況にもよりけりですが、船内は非常に揺れるので、船酔いなどが不安な方は薬を携帯しておくと良いでしょう。取材班が訪れた日は、風が非常に強く波も高かかったため、身体が船と一緒に浮くレベルで揺れたため、船内で悲鳴があがる有様・・・。私はまるでアトラクションのようで面白かったのですが、こういった乗り物が苦手な同行者は明らかにゲンナリしていて少し同情してしまいました。

佐久島へ到着、しかし台風並みの暴風に襲われる

船に揺られること約20分、佐久島の西港に到着しました。
辿り着いたは良いものの、この日はまるで台風でも来たのかと思うほどの強風が吹き荒れており、特に海岸に近い場所は身体が飛ばされそうなほど。本当にまともに取材が行えるのかと不安になりつつ、とりあえずは島の情報収集ができるという「弁天サロン」という場所を探すことに。

海に面した町並みが美しい

黒で統一された風情のある佐久島の的波

佐久島の町は黒で統一された家屋が立ち並び、「三河湾の黒真珠」とも称される美しい町並みが特徴的です。西港からすぐの場所にはカフェなどのお店が集まっており、ついつい目移りしてしまいます。内陸の方に行くとまるで迷路のように入り組んだ路地が現れ、物語の舞台にでもなりそうな雰囲気に見惚れてしまいます(これで強風さえなければ・・・)。

弁天サロンで情報収集

弁天サロンは西港からすぐの場所にある

弁天サロンは西港から歩いてすぐの場所にありました。風情のある古民家風の施設内では、島に関する資料や、季節によって変わるアートの展示などが楽しめます。サロンには島民の方が常駐しており、色々とお話を伺うこともできました。散策の合間に休憩がてら他の観光客や、島民と触れ合う交流の場としても活用されており、町おこしの拠点となる場所です。

島民の方との交流を愉しめるコミュニティになっている

レンタルサイクルという手も

自転車があれば楽々島を探索できる

西港にはレンタルサイクルもあり、島を快適に移動するにはうってつけ。今回我々は撮影があったため利用できませんでしたが、徒歩で周りきるには少々大きい島なので、隅々まで島を探索したい方は是非レンタルサイクルでの移動をお勧めします。ただし、島内には自転車で移動が難しいような場所もあるため、そこは留意しておくと良いでしょう。

島中に散りばめられた数々のアートが楽しい

流石、アートの島と謳われるだけのことはあり、島中にアート作品が散りばめられている佐久島。どこを歩いても何かしらのアートに出会えるのはこの島ならではの魅力だと感じました。島には至るところに案内板も設置されているので、目的のアートまでも迷わず行くことができます。

おひるねハウス

天気の良い日は海を見ながらおひるねしたら気持ちよさそう

佐久島で最も有名なアートがこの「おひるねハウス」。そのロケーションも相まってSNS映えする写真が撮影できるため、若者を中心に人気の高いアート作品です。有名なだけあって我々が訪れた際もアートの前には写真を撮影のための行列ができていました。海岸に設置されたこのアートは佐久島のシンボルでもある黒壁の街並みをモチーフにしたといいます。2010年にはあの人気作品「名探偵コナン」の映画にも登場したことで知られています。

向こうに見える海が美しい

大葉邸

大葉邸の庭はなんだか不思議な空間だ

築100年の古民家を丸ごとアート作品として再利用した大葉邸。庭と建物内がアート化されており、庭はいつでも見学が可能、建物内は弁天サロンで事前予約が必要となります(当日予約可)。今回は中を見学することはできなかったのですが、綺麗にアート化された庭は四方が囲われた空間となっており、何だか異世界に迷い込んだような不思議な雰囲気がありました。

ノンとビリー

こちらはノン

こちらはアートではないのですが、佐久島のマスコット的な存在のノンとビリー。名前の通り、2匹とものんびり島暮らしを満喫していました。残念ながら触れ合うことはできませんが、眺めているだけでも癒されます。因みに赤い首輪をしている方がノンで青い方がビリー。主に草を食べるのが仕事らしいです。

佐久島には古墳も点在している

残念ながら中まで見学することはできなかった

佐久島にはこの辺りの地域でも最大規模の古墳群が存在することでも有名です。その数なんと47基。この小さな島になぜこれほどの数の古墳があるのか。やはり佐久島は海上交通における要衝に位置することから、この島を支配する人々は古くから海運で栄えたのでしょう。

我々は今回「秋葉山古墳」を見学。佐久島まで来てわざわざ古墳を見に来る観光客は少ないのか、道中は全く人に出会わず、古墳は秋葉山と呼ばれる小高い丘にあり、鬱蒼とした林の中にひっそりと存在していました。案内板がなければスルーしてしまいそうなほど自然と同化しており、中の見学もできない状態でしたが、6~7世紀ごろに造られたこれらの古墳を見ると、この島の歴史の深さを感じることができます。

古墳の傍には意味深な場所も、恐らく神社跡だろう

帰りは東港から

この日は強風により、ほどほどで取材を終えることに

この日は本当に風が強すぎて、なかなか計画通りには取材が行えず。本当はアートも制覇する意気込みだったのですが、無理は禁物ということで、日が傾き始めた頃合いで港にて休憩がてら船を待つことに。行きは西港から降りたのですが、帰りは東港に船が来るとのことだったので東港へ。港には簡易的な休憩スペースがあり、旅の疲れを癒すのに丁度良かったです。

今回は天候に恵まれず、満足のいく取材とはなりませんでしたが、また夏頃に再訪したいと思います。人口の減少に悩まされつつも、島全体が町おこしに取り組む素敵な島でした。愛知県民の方はもちろん、県外の方も一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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