2021/10/08

【豊かな森と清流のまち】水窪(みさくぼ)を探索 -前編-

こんにちは。historicaの岡安です。いつも安藤君とともに現地取材とライティングをしている者です。
僕たちが以前に取材した「夏焼」「門谷」があった奥領家は、旧水窪町域(現在は浜松市と合併 )に含まれます。人が住まなくなってしまった場所もあるけれど、人々の暮らしがある地区も見ておきたい。ということで、今回は旧水窪町の中心地「水窪」を訪れました。

電車でのアクセス

水窪町へはJR飯田線 水窪駅で下車すればすぐアクセスできました。ローカル線ならではのノスタルジックな雰囲気があり、電車の写真を撮ろうとカメラを構える人の姿もちらほら。電車のドアはボタンを押さないと開かない初見殺しで、駅には改札も券売機もないシンプルスタイル。運賃は車内で運転手さんに清算してもらいます。

水窪駅からの眺望

駅は水窪川に沿った小高い場所にあり、駅を出ればすぐに町を見渡せる眺望。橋を渡ると市街地に入っていけます。
清流と山に挟まれた水窪の最盛期は昭和42年ごろで、旧水窪町を構成する17の部落を合わせた人口は9206人。当時は林業が拡大造林しており好調、水窪ダム建設で土木事業も活況を呈した。そんな水窪の現在は、ぱっと見では民家だけが立ち並ぶ住宅地に見えますね。

とりあえず橋を渡ってみる

橋を渡り市街地のほうに来ました。橋を渡り切ったところから、さきほどの展望スポットを見てみるとこんな感じ。おっと、注意書きに超重要なことが書いてありました。「この橋は同時に20人までしか渡れません」一休さんならきっと橋の真ん中を通るでしょう。

水窪のまちを歩いてみる

とりあえず町を歩いてみます。道を歩いていても人の声や生活音が聞こえてくることが少なくとても静かです。森の木々が騒音を減衰させるのでしょうか。しばらく歩いていると遊ぶ子供たちを見かけたり、町の方々に声をかけていただきました。

水窪の水源に恵まれる町だけあって、このように地下水を引いているお宅をいくつか見かけました。きれいな水と流れる音に癒されます。僕たちがこれまで取材した集落も多くは、川の上流に位置していてきれいな水がありました。上下水道が整備されていない時代、自然の水とともに生きるということは暮らしの基本だったのかも知れません。

そんなことを思いながら 町を歩いていると、お昼になりお腹も空いてきたのでお食事処を探すことに。
地元の方のおすすめのお店を知りたいと思い、タイミング良く出会った町の男性に声をかけてみました。


取材班「このあたりで美味しいごはん屋さんありますか?」
男 性「このあたりはあまりお店多くないけど、アオイツキというお店のタコライスが美味しいよ。あと、みさくぼっちの蕎麦も。」


有力な情報を手に入れることができました。どっちも美味しそうだと思いましたが、男性の感じからアオイツキのタコライスを推しているように取れたので、水窪でのタコライスに意外さを感じながらもそこに行ってみることに。

水窪の星の駅

男性に教えてもらった道を進むと「水窪の里の駅 碧」と書かれた看板、道の駅のような広い施設を発見しました。
碧は「アオイ」と読むみたいです。男性のおすすめのお店の名前は「アオイツキ」。似てる。もしや、ここのことか?「碧」のまわりに描かれた円が月?
たまたま、碧の入口前に人がいたので声をかけてみると、碧の店内から店員さんを呼んできてくれました。おしゃれでとても気さくな女性の方です。

取 材 班 「このあたりで美味しいタコライスが食べれると聞いてきたんですが」
店員さん「え?タコライス?水窪で???」
取 材 班 「はい。町の人に聞いて、このあたりだと伺ったんですが」
取 材 班 「ここ水窪だよ?笑」

どういうことだってばよ‥‥!?

地元でも知る人ぞ知るディープなタコライス屋なのか、、、?
しかし、他にお店らしきものは見当たらず、すでに空腹も限界だったので碧さんで食事できるか聞いてみましたが、訪問時点ではコロナの影響でお休みを延長しているとのことでした。残念。平常時には、テラスでお食事を楽しめるカフェや工芸品、マルシェなどをやっているようです。カフェではタコライスこそないものの、カレーライスなど美味しいお食事メニューを提供しているみたいなので、そのへんで齟齬が生まれてしまったのかもしれませんね。無理やり自分を納得させておきます。

▶水窪の星の駅 施設紹介

水窪の星の駅 碧 -AOI-

とりあえずお腹がすいたので、タコライスはあきらめて、男性のもうひとつのおすすめ店「みさくぼっち」に行ってみました。が、こちらも臨時休業中(コロナ渦でも営業はしている)でした。まことに残念。

ほかにもご飯処がないか調べてみましたが、食事にありつけることはなく。歩きまわってへとへとになったときに現れたコーラの自販機。三度の飯よりコーラが好きな私にとってはまさにハピネス(Coca-Cola 2011 Christmas Campaign Song)。しかも、半自動式販売機のデザインを踏襲したビンコーラの自動販売機は珍しい。取材班の安藤君は、初めて見たと感動しながら別の自販機でいろはすのペットボトルを買ってました。

フィルムカメラ風のおつショットも

ここで元気(糖)をチャージし、水窪探索は後編に続きます。
▶【豊かな森と清流のまち】水窪(みさくぼ)を探索 -後編-

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