2022/02/21

地方移住を体験できる|空き家再生事業を取材しました

こんにちは。historicaの岡安です。
今回は取材で長野県の富士見町に行ってきましたので、レポートしていきたいと思います。富士見町は諏訪湖の南東に位置する山間の町です。山間ではありますが鉄道のアクセスがしやすく、近隣にも賑わう観光地やレジャースポットがあるためか田舎ながら寂れた印象はなく、ノスタルジックな魅力を持った町です。
今回はそんな富士見町や周辺エリアを盛り上げるプロジェクトの一環として、空き家再生事業に取り組む現場を見せていただけるというお話をいただいたので行ってまいりました。

空き家とは?こちらの記事では空き家について詳しく解説しています。

地方移住とは?こちらの記事では地方移住について詳しく解説しています。

最寄り駅のJR富士見

富士見駅
塩尻からは普通電車に乗り換え。ワンマン電車は乗客がセルフでドアを開閉する。

我々は名古屋からJR特急「ワイドビューしなの」に乗り、車窓から見える雪景色を眺めること3時間、あっという間に最寄り駅の富士見に到着しました。意外と近いですね!電車から降りると冷たく乾燥した空気に雪国を感じます。空き家再生事業の現場までは、富士見駅から歩くこと10分で到着しました。

Crafterior -Yai Yai-

Crafterior Yai Yai
多角的でクリエイティブな複合空間として再生される民家

こちらが現在再生中の空き家物件。2022年の春には、Crafterior -Yai Yai-(クラフテリア -やいやい-)という名で生まれ変わる予定で、我々が訪れた時点では絶賛内装工事中でした。写真では平屋の民家に見えますが、実は移っている建屋の奥にもう一棟あり大きなお宅です。

アートやクラフトを超えた交流ができる地域拠点へ

山が近く、山脈が美しい富士見町の風景

Crafterior -Yai Yai-は多い部屋数を活かして、居住(シェアハウス)・宿泊(ゲストルーム)・イベント・展示スペースなど併せ持つ複合空間を生み出すプロジェクトです。アートやクラフトの拠点となりクリエイティブな人々の交流を創出することに加え、地域の人との交流がしやすいようフリースペースを設け、気軽に立ち寄れる地域コニュニティーの拠点を作ることを目指しています。

社会的に空き家問題や人口問題の解決策として地方移住が注目されていますが、移住者が地域に定着するためにはさまざまな問題があり、単に人を呼び込めば良いというものではありません。Crafterior -Yai Yai-では地方移住をする人と、それを受け入れる側の地域住民の双方の関係性に目を向けているようです。

プロジェクトメンバーにお話を伺いました

諏訪湖
真冬の諏訪湖は湖面が凍っていた

移住者と地元住民との繋がりを重視するCrafterior -Yai Yai-。地方創生のビジョンや担う役割はどのようなものでしょうか。プロジェクトに参加するメンバーからお話を伺いました。

Crafterior -Yai Yai-が目指すもの

空き家再生プロジェクトであるCrafterior -Yai Yai-は、単に入居者を集めて空き家を有効活用しようというものではなく、地域の活性化を重視しているように感じました。

私たちは、ここ八ヶ岳の地方創生を目的とした地域情報の発信や移住支援など様々な活動をしています。この空き家再生は地域の魅力を知ってもらう入口になればと考えています。

なるほど。地方創生を包括的に考えていて、空き家再生はその一部分なんですね。興味深いです。“入口”というのはどのような意味でしょうか。

Crafterior -Yai Yai-では、手軽に地方移住を体験できます。
地方移住を検討する際には、新しい生活への期待だけでなく地域と馴染めるのかなどの心配ごともありますよね。そこで、いきなり本格的な地方移住に挑戦する必要はなく、試しに少し暮らしてみて好きになったら定住を考えてくれればいいと思ったんです。-Yai Yai-以外にも住める場所はありますので。

だから、シェアハウスのほかに宿泊スペースやフリースペースもあるんですね。生活必需品は共用で揃っているので、大げさかも知れませんが身一つで来ることもできますね笑

そうですね。地域に合うかどうかって地域の人との関わりも重要な要素だと考えています。そして、地域の人々からしてみても、移住してきた人がどんな人かは気になります。そこで、Crafterior -Yai Yai-は地域の人が気軽に入って来られるような場所、地域の交流拠点にしてしまおうと考えました。

それはナイスなアイディアですね。移住者と地域住民の双方に大きなメリットがありそうです。地域との橋渡しは大変かと思いますが、どのような取り組みをしていますか?

地域のお店などに直接お話しして回り、認知してもらっています。先日、ここで作業していたら、もうすぐオープンだねと住民の方から声をかけてもらえました。
また、8materというメディアを通じて情報発信しているのですが、そこでは地域のお店や人に焦点を当てて八ヶ岳地域の情報を届けています。

地域の人とのコミュニケーションで距離を埋めているんですね。
外の人からすると、「地域にこんなお店がある」「お店の人はこんな感じ」という情報は貴重ですね。

こうした地域と移住者のマッチングや、都市部から訪れるきっかけを作り続けることで、一過性ではない盛り上がりを地域の人々と一緒に生み出していきたいです。

黒子となって、地域の可能性を広げる仕事ですね。地方と都市部を結ぶという大きな夢に向かっている姿が素敵です。お話聞かせていただきありがとうございました。

Crafterior -Yai Yai- の取材を終えて

湖畔公園の足湯で温まって帰りました

今回は、長野県富士見町で進行している空き家再生事業を取材させていただきました。地方移住による地方創生を長期的に捉えて、移住者と地域の橋渡しの仕組みを作る取り組みが素晴らしいと思いました。


「憧れを持って地方に住んで見たけど肌に合わなかった」という失敗が増えれば、移住者にとっての損失だけでなく、地域にとっても「住人の出入りが増えることで移住者への信頼感やイメージの悪化に繋がる」など良くない影響をもたらしかねません。そのため、きちんとプロセスを踏んで、移住者と地域のマッチングを確かめながら人の流入を増やそうという、Crafterior -Yai Yai-のビジョンにhistoricaは今後も注目していきたいと思います。

Crafterior -Yai Yai-
地域の拠点としての活躍が期待されるCrafterior -Yai Yai。今後も取材させて下さい

8mater(八ヶ岳情報発信ポータルサイト):https://8mater.com/

Ito Business Office合同会社(Crafterior -Yai Yai-運営):https://ibo-akiyakatsuyou.net/

crafterior-yaiyai-
Crafterior -Yai Yai- は2022年4月23日にOPEN予定!3月には内覧イベントも
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