2022/01/02

「地方移住」の人気の理由やメリット・デメリットをご紹介

新型コロナウイルスが日常の常識を変えてしまった2020年。都市部ではロックダウンや緊急事態宣言が余儀なくされる一方でリモートワークなど新しい働き方が浸透した結果、地方移住を考える人が多くなりました。

地方移住のニーズ自体は以前からありましたが、都市部を離れていても自分の仕事が続けられるニューノーマルな社会は地域移住を考える人の背中をさらに後押しすることになるでしょう。実際、新型コロナウイルスがパンデミックを起こした2020年では、東京都からの転出者数が転入者数を上回る転出超過をもたらしました。

今回は、現代社会の重要テーマである「地方移住」について詳しく紹介していきます。

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地方移住とは

ライフスタイルの多様化から、生活の拠点を都市部ではなく地方に移してそれぞれの暮らしを実現させるニーズが目立つようになりました。都会で身につけたスキルを活かして地方で起業をする人や、自然を感じながらのびのびと暮らす人、野菜づくりなどを楽しみながら田舎暮らしをする人など、それぞれの希望を実現するために地方移住という手段を選択する人々がいます。

地方移住のメリット

先述のように、人それぞれの生活ニーズや目的があり、それを実現する手段として地方移住という手段が取られています。この記事ではその中でも、地方移住をしている多くの人がメリットとして考えている点をご紹介します。子育てとも関係のある点が多いのが特徴です。

地方移住によって美味しい食材に恵まれる

地方の市場やスーパーマーケットでは、都会ではなかなか触れる機会のない朝一番の採れたて野菜や魚が手に入ることも

地方移住を実現させる人たちの中には、移住することで”食”への意識が変わった人や、食への意識の高さから移住を計画したという人もいます。 忙しい都会生活では、食品添加物が多く使用されているコンビニ弁当や惣菜を購入して昼食を済ませるという人も多いでしょう。 

これらの偏食や、欧米スタイルの食事が安く食べられる食生活を送る人の中には、 病気のリスクや子供の成長を考え、懸念を抱く人も少なくありません。
  
一方、地方の市場やスーパーマーケットでは、都会ではなかなか触れる機会のない朝一番の採れたて野菜や魚など、『地産地消』の食材が手に入ることも珍しくありません。 採れたてで栄養価が高い野菜を気軽に購入できる地方での生活は、食を見直すきっかけを与えてくれます。 

近年では、子育て世帯を中心に“食育” への関心が高まっていることから、上記の理由で家族での移住を検討する人も増えています。
 
“食育” とは、 知育、徳育および体育の基礎となる食事についての知識と選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てることです。 

地方移住を通して、人間の基礎を作り上げる“食育”に適した環境を手に入れられるのは大きなメリットといえます。 

地方移住によって自然に囲まれて過ごせる 

自然が身近にあるため、テレビやゲームなどの娯楽だけではなく、自然が遊び場になります。そのため、子育て世帯にとっては海、山、川で自然とふれながらのびのびと子育てでき、自然のなかから「感性」や「生きる術」を学ぶなど、都会にはない子育て環境と言えるでしょう。

また、近年では“DIY”の考え方が広まったことも、地方での暮らしへの魅力発見に繋がっています。なんでも買って手に入れるのではなく、その土地で手に入るものを活用して作り出すという生活スタイルを大切にしたい人にとって、自然との共存や自給自足を味わうことができることにメリットを感じているようです。

地方移住によって広い家で暮らせる可能性も

生活の拠点として重要なのが住まいですよね。特に、新型コロナウイルスによって家で過ごす時間が増えた近年、家族が全員自宅にいることが多く、家の広さが必要と考えるようになった人も多いのではないでしょうか。住まいを検討する場合、 同程度の 物件でも都市部と地方では相場となる金額がまったく異なります。

例えば、 土地の取引価格の目安ともなる公示地価 を比べて見ると、2021年の東京都の公示地価の平均は113万3034円/㎡ですが、秋田県の平均は2万5148円/㎡となっており場所によって差が大きいことが分かります。つまり、地価の安い地域を選択することで、同じ予算で都市部よりも広い土地や住まいが検討できるといえます。

これまでは、多少手狭であったとしても職場までの距離が近い住居が良いと考える人が多い傾向にありましたが、働き方の多様化やストレスフリーなゆとりのある生活へのニーズから、地方移住で可能になる広い生活スペースとワーキングスペースに注目が集まっています。

また、満員電車など都会で感じるストレスを回避することができるのもメリットと感じる人も多いようです。

国や自治体が主体となって行っている地方移住支援策を活用するという選択肢も

自治体が提供する物件を契約するというのも方法のひとつです。家賃や改修修繕費用の助成を受けられるものや、住み続ければ、土地や住宅を無償譲渡してくれるものもあります。 ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

地方移住のデメリット

多くのメリットがある地方移住ですが、検討する際にはデメリットも理解しておくことが必要です。デメリットがどれくらい大きく感じるかは、その人のライフスタイルによって差が出る部分ですので、以下のポイントを参考にご自身のライフスタイルに照らし合わして検討を進めていただければと思います。

仕事の選択肢が限られる

今の仕事を継続できる場合を除き、生活していくためには移住先での仕事をどうするかという問題が発生します。農家やweb関係、民宿・ゲストハウス開業など、その土地でできることを始める人も多いです。一方で、地方で新たに勤め先を探す場合、都市部と地方では、明らかに地方のほうが求人の数が少ないことは想像できるでしょう。また、場所によっては職種も限られており、これまでのキャリアを生かした職種に就くことが難しいこともあるかもしれません。


場所によっては通勤距離が長くなってしまうなど、不都合があるかもしれません。どのような仕事がしたいか、自分に合う求人が見つからなかったらどうするかなど、移住後の収入源については注意深く考えなくてはなりません。

交通、公共機関の利便性

どうしても都会の便利な交通網と比べると電車やバスの本数が少ない、最寄りの駅までが遠い、急行が止まらないといった点に不便を感じる人は多いようです。しかし、道路が広い、無料駐車場があるといった地域も多くあるため、これを機会に車の運転に慣れてみるのも良いかもしれません。
また、場所によって病院やスーパーが遠いという不便さが発生する可能性もありますので、移住後に後悔しないよう、事前にさまざまな情報をチェックして移住先を考える必要があるでしょう。

近所のコミュニティ・人間関係が狭い

田舎ならではの人間関係でケースバイケースなので、一概にデメリットとは言えないのですが、移住後にギャップを感じやすいこととして、近所のコミュニティ・人間関係が狭いことがあげられます。ご近所付き合いに慣れることができ、地域との信頼関係を築くことができれば深いつながりの上で落ち着いた暮らしができるでしょう。一方で、近所付き合いになれることができない人にとっては、移住後のストレスになってしまうかもしれません。
こればかりは、近隣住人との相性や慣れの部分が大きいのです。人間関係を楽しむ気持ちも大切だと言えるでしょう。

地方移住をした人の声

ある会社のアンケート結果によると、移住経験者の方々に「移住をしてよかったと思われますか」と聞いたところ、「よかった」「とてもよかった」と答えた人は全体の7割を占め、残りの3割を「どちらともいえない」「よくなかった」という回答が占める結果になりました。
地方移住のきっかけは、転勤など当人が希望しない会社都合の場合も多いのでそれらの層を含めても「よかった」派が7割を占めているのは、地方移住の魅力を裏付けるデータになります。

地方移住して「よかった」という人の声

都心部から地方へ移住すると、自然を身近に感じられ、生活が豊かになったという声が多いようです。また、移住の際には生活の利便性が心配でしたが、周辺の施設が充実していたため満足できたという声も。
また、満員電車や人ごみ、コロナ渦でのストレスが軽減されるという点にメリットを感じているようです。

地方移住して「よくなかった」という人の声

7割の人が地方移住に満足する一方で、「よくなかった」と後悔する人がいるのも事実です。豊かな自然やのんびりとした雰囲気にあこがれ地方移住をしましたが遊ぶ場所がない点や、歩いて行ける距離に病院や店舗がないなどの不便さが主な理由としてあげられました。
また、地域との関わり方が都会とは異なる面が多く、自治会や地域の掃除、PTA、消防団の活動など地域コミュニティでの役割にギャップを感じるという声もありました。

地方移住を体験するには

地方移住を検討する際には、上記のような確認すべき条件がありますが、実際には地域を訪れてみないとわからないことも多く、事前に地域のことやそこに住む人のことを知ることができる機会を利用してみるのがおすすめです。
全国各地で移住体験ツアーや職業体験ツアーなどが開催されており、地域を知ってもらったり、地域住民と触れ合う機会が用意されています。先輩移住者のお話を聞ける場合もありますので、リアルな情報を得ることで地方移住の検討に役立ちます。

『地域おこし協力隊員』として、その地域で働く人も


『地域おこし協力隊員』とは…働き地方自治体が都市地域からの移住者を『地域おこし協力隊員』として任命し、農業・漁業への従事、地域の魅力PR、お祭りやイベントの運営など、様々な地域協力活動を行いながらその地域への定住・定着を図る総務省の取組です。地方自治体の委嘱を受け、その地域で生活し、各種の地域協力活動を行うことで地域に貢献できる協力隊を募集している自治体もあります。
地域おこし協力隊について書いたコラムはこちら

土地の成り立ちについて知る

https://historica-web.com/

地域のことに関心を持ち地域のルーツを知ることは、今の暮らしをよりよく見ることにもつながります。historicaでは、人やまちの歴史を通じて「これからの歴史」を届けています。

まとめ 

・ライフスタイルや働き方の多様化により、地方移住を希望する人が増えている。
・自然に囲まれてのびのびと暮らしながら、食育や自然体験から得られるものがある。
・仕事の選択肢や交通手段など、都心部と比較すると不便さがある。
・近所のコミュニティ・人間関係が狭いため、近所付き合いが必要になる。
・地方移住を検討する際は、体験ツアーへの参加がおすすめ。

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参考文献 

地方移住ガイドブック:内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局

https://www.chisou.go.jp/sousei/info/pdf/panf_iju.pdf

地域おこし協力隊:移住・交流推進機構

https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/about.html

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